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分散型エネルギーインフラにより魅力的なまちを目指すつくばCEMS構想 つくば市 | つくばCEMS構想事業化可能性調査

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Academic year: 2018

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図 導入効果(環境負荷削減)

(3)まとめ

モデルスタディ街区について,現状の法規制・まちづくり方針に準拠し,施設を想定し,災害 に強く,低炭素なエネルギーインフラの計画を行った。用途地域の規制から住宅中心のまちづ くりになる。

住宅は床面積当たりのエネルギー需要が少なく,面的利用等難しい面もあるが,小規模の分散 型電源(ガスエンジン・燃料電池),太陽光発電・太陽熱,地中熱利用,蓄電池等を活用するこ とにより,地域全域でのBCP対応(平均 350W/戸),低炭素化(CO2 を 32.5%削減)が可能 なシステムを計画することができた。

一方,建物が住宅中心であるため,床面積の割にはエネルギー需要が小さくエネルギー需要 小=事業規模小であるため,エネルギーインフラ整備を事業者がエネルギーサービス事業と して行う場合,採算性を確保することは難しいと考えられる。

(2)新規開発街区へのつくば CEMS 導入誘導方策(例)

地区計画や入札条件等による低炭素・防災型まちづくりへの誘導

開発街区への環境性能評価認定(LEED,CASBEE 等)による付加価値向上 助成制度(国・つくば市)の活用

⑤導入効果

36,421 24,613 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000

従来シス テム 検討シス テム

G

J

/

一次エネル ギー消費量比較

1,861 1,256 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600 1,800 2,000

従来シス テム 検討シス テム

C

O

2

( t-C O 2 /

C O2排出量比較

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5.再生可能エネルギーを活用した地域エネルギーマネジメント

(1)我が国における VPP 構築に向けた取り組み

我が国では,東日本大震災以降,従来の大規模型集中電源に依存した硬直的な供給システムを脱却する と共に,急速に普及している再生可能エネルギーを安定的かつ有効に活用していく事が喫緊の課題となっ ている。こうした状況に対応するため,高度なエネルギーマネジメント技術により,電力グリッド上に散

在する再生可能エネルギー発電設備や蓄電池等の蓄エネルギー設備,ディマンドレスポンス(DR:

Demand Response)等需要家側の取り組みを統合的に制御し,あたかも 1 つの発電所(仮想発電所:バ

ーチャルパワープラント VPP:Virtual Power Plant)のように機能させることによって,創エネ,蓄エ

ネ,省エネを最適に組み合わせることにより,再生可能エネルギーの導入拡大や更なる省エネルギー,負 荷平準化を図る事が重要である。

(2)つくば市における VPP ポテンシャル

つくば市域全体において,地域に散在する創エネルギー機器・ 設備(太陽光発電,ごみ発電),蓄エネルギー機器・設備(蓄電 池,エコキュート)を活用し,デマンドレスポンス等の需要側の 取組みを,ICT 技術を活用して総合的にネットワーク制御し,あ たかも一つの発電設備の様に機能させ,最適なエネルギー需給バ ランスを保つ地域エネルギーマネジメントを実現するための検 討を行った。

1 再生可能エネルギーポテンシャル

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2 FIT 切れ問題と VPP 事業の検討目的

既設の 14,220KW に及ぶ太陽光発電システム

は 2022 年から,FIT(固定価格買い取り制度)切

れに伴う機会損失が順次発生していく可能性が指

摘されている。本検討においては,VPP 事業を通 じてこれらの機会損失を回避すると共に,地域に 賦存するエネルギーを活用したエネルギーマネジ メント(アグリゲーションビジネス)を通じて新 たな地域の収益源となるモデル構築の検討を行 う。

(3)つくば CEMS における VPP 事業イメージ

つくば市内の太陽光発電やごみ発電の電力を一括でアグリゲートし,その電力を地域の需要家に 販売すると共に,地域内外の需要家に対して,ネガワットやポジワットの各種 DR サービスの提供 を行う。

➢つくば市内に賦存するエネルギーリソースを活用して,①ネガワット②ポジワット③容量の各サー ビスを小売電気事業者や再エネ事業者に対して提供し対価を受け取る。また、通常時は地域内外に対 して売電を行う。

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※大手民間事業者がアグリゲーターとして参入すると,つくば市内で調達した電力を他地域へ融通 する可能性があるため,地産地消の電力で無くなるばかりか,収益の大半が地域に還元されなくな る可能性が存在する。また,ごみ発電所管理等の問題も存在するため,何らかの形で自治体が関与 する事業体が望ましい。

(4)VPP 事業試算結果

①ネガワット及びポジワット収入試算結果

2026 年において,ネガワット収入は 1,360 万円/年,ポジワット収入は 5,042 万円/年となる 見込みであり,DR サービス提供時以外の売電収入を含めた VPP 事業総収入は 8,395 万円/年の収 入が見込める結果となった。

②容量市場及びごみ発電による売電収入差益の試算結果

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(5)まとめと事業化に向けた課題及び方策

つくば市内に賦存するエネルギーリソースを有効活用し VPP 事業を展開する事により,FIT 切れに 伴う太陽光等の機会損失を回避出来ただけではなく,VPP 事業の想定総収入として新たに 8,395 万 円の収入が見込める結果となった。

≪課題及び方策≫

●エネルギーリソース需要家(顧客)確保並びに HEMS 設置の標準化

●地域の課題を解決し,エネルギーの地産地消を促す為に,地域新電力会社等「(仮称)つくばVPP」の事 業主体の検討

●エネルギー供給サービスに留まらない,市民サービス等を含めた多角的なサービス提供スキームの構築 ●大規模アグリゲーションビジネスを通じた地産地消型電力販売事業によるつくばのブランド化

≪補足及び注釈≫

※本試算は具体的な事業主体が決まっていない中での暫 定試算であり,スキームによってはコスト変動等の可能性 が高い。

※需要家側の設備(蓄電池やエコキュート等)は既設の設 備を活用し,VPP 事業の為に新規に導入するものではない (HEMS のみ新規導入)。

※つくば VPP の上には上位アグリゲーターが存在し,そ こで統合 EMS や監視を行うので,規模拡大の際は,基本 的に需要家側のイニシャル(HEMS)のみが必要になる。 ※上位アグリゲーターは大手電力会社や大手電機メーカ ーが運営する予定。

2026 年 に お け る 単 純 投 資 回 収 年 数 は HEMS 補助金無しで 5.5 年,HEMS 補助金を 考慮すると 2.4 年であり,十分に事業採算性 が見込めるものと考えられる。

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6.事業化に向けた展開

1)各事業の事業化に向けた課題

①都心地区面的利用

段階的整備の場合,初期段階の事業性確保が課題(全体計画の 30 施設の需要のうち約 80%の需 要確保)。

今後の都心地区の施設撤退等による需要縮小リスクについても考慮した計画が必要である。 CGS(ガスエンジン)からの排熱温水の利用が重要。吸収冷凍機等で冷水に変換すると設備投 資がかかる上に,効率も低い。近隣や新たな開発街区のホテル・住宅等への供給や温水利用施設 の誘致が有効。(ただし,住宅への供給では熱損失が大きくなるので注意が必要。)

現在の熱供給事業と,新規の電力供給事業を一体としてとらえるか,別事業として検討を進める のかの検討が必要である。

電力自由化により,電力需要の確保が難しい中での事業化判断が必要である。

②新規開発街区エネルギーサービス

モデルスタディ街区と同様に,今後売却予定の公務員宿舎跡地等開発においては,用途規制(住 居専用地域・文教地区)により,大規模な業務商業施設,ホテル,病院等は難しい為,住宅中心 の開発になることが多い。住宅に適したエネルギーインフラの整備は可能であるが,住宅はエネ ルギー需要密度が他の用途よりも小さい為,エネルギーサービス事業として事業規模は小さい。 需要が大きい施設の誘致か,事業の多角化(街区管理・生活支援サービス等)が必要。

③再生可能エネルギー活用地域エネルギーマネジメント

太陽光発電のFIT導入量の多いつくば市では,FIT終了後の太陽光発電の扱いが課題。 電力のネガ・ポジ市場の活性化が前提ではあるが,家庭用太陽光発電のFIT期限がきれる 2022 年以降にいかに,VPP の対象として取り入れることができるかが課題。

(2)事業スキームについて(事業方式・事業主体)

①都心地区面的利用

電力供給事業としては,特定供給(供給者と需要家の組合方式)か,特定送配電事業になると考 えられるが,それぞれメリットと課題がある。現段階ではどちらかに特定はできない。

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②新規開発街区エネルギーサービス

エネルギー事業者が設備を所有し,オンサイトエネルギーサービスを行う場合や,住棟 CGS では 一括受電になるため,居住者の管理組合が主体となり,民間事業者等に運営を委託する場合等が考 えられる。

③VPP 事業

事業主体として,新電力事業者が考えられるが、太陽光発電等つくば市内の地産地消のエネルギー を活用する場合,地域への貢献が大きい為,自治体が関与する地域新電力事業等も考えられる。

(3)今後の事業展開

これまで検討を行ってきた分散型エネルギーインフラ研究会を中心に事業方向性の判断を行う 事業化を進めるためには,産・官・学協働による「(仮称)つくばエネルギーマネジメント推進研 究会」を発足する。

必要に応じて下部組織として,都心地区における電力熱面的利用事業とつくば市全域におけるV PP事業の2事業についての WG を組織し、より詳細な検討や研究を行う。

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22 ■事業展開スケジュール

参照

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